一方、組合の主たる目的である労働条件の維持向上にあたっては労使交渉が必要となり、その際は会社と組合とが「相互に信頼しあう」ことを基調に、「お互いの立場を尊重」し、「話し合い」を重ねていくことが重要です。
話し合いを基調とするからには、その関係は対等でなければなりません。そのために組合は会社にとって存在感のあるもの、真の職場の代弁者であることが求められます。
話し合いの場で議論も主張もなく、労使が馴れ合いで物事を処理すれば、職場に説明し得ない状況を招き、職場の信頼感を失うことになります。
緊張感ある労使関係を維持するためには、話し合いにおいて、まずは自らの立場・主張を明確にし、職場に労使関係をオープンにし、交渉当事者の人間関係ではなくシステムにより労使関係を維持することが重要です。協定化することは一つのシステムであり、「口約束」による後々の無用な混乱を避けることになります。
会社施策が職場に与える影響を、経営に対しストレートに伝えられるのは組合だけといっても過言ではありません。これは、企業別組合の大きな特徴であり、現場で働く立場からの経営施策に対するチェック機構となります。
経営に対する前向きな「批判」も、企業別組合ならではの特質であり、「批判精神」を持ちつづけることが重要となります。的確な「批判」を行うためにも、現場・現実に基づき職場の実態を把握することと、社会動向や経営動向にも常に敏感であることが求められます。