労働組合と組合員の結びつきは、委員長や書記長ではなく、組合員のもっとも身近にいる職場委員や執行委員によってつくられます。組合員の目はいつも職場委員や執行委員に注がれており、そのなかから組合の動き、考え方を確認、判断するのです。
春闘時などに組合と組合員がバラバラの気持ちでは交渉になりません。組合員の総意の要求だからこそ、会社も誠意をもって交渉に臨むのです。労働組合の「力」の根源は団結なのです。
団結を図るために必要なものは、組合員の組合への「信頼」です。「信頼」は日常の職場における組合員の不満、苦情、要求、期待に対して、身近にいる役員がどんな反応を示すかによって変わります。
労働組合への「信頼」は、日常活動のなかで積み重ねられた一つひとつの小さな信頼のうえに築かれます。春闘など、交渉の直前になって騒いでみても始まりません。普段の役員の対応が重要なのです。役員選挙の際、組合員は、役員候補者を信頼して投票しているのです。ですから、選出された役員は、組合員に信頼される行動を心がけなければなりません。