労働者福祉

年金福祉協会の目的と歴史

目 的

厚生年金保険の被保険者を対象に年金積立金を財源として、住宅資金の転貸融資を行うことで持ち家の取得を促進し、被保険者の福祉の向上を図るとともに、年金制度をはじめとする社会保障制度の周知・啓発等を行うことを目的に設立されました。
なお、住宅資金の転貸融資は2005年(平成17年)1月末で新規融資が廃止となり、現在は既に融資を受けた利用者の債権の管理・回収を行っています。
回収した債権は、将来の年金給付の財源とするため、独立行政法人福祉医療機構を通じて年金特別会計に納付することにより年金制度の安定運営に寄与しています。

歴 史

  • 1970年(昭和47年)の年金法の改正により、厚生年金保険の被保険者向けの住宅融資制度が誕生し、その後、融資制度を普及させるため全国に民法法人を設立、民法法人から被保険者に貸し出す「転貸融資」がスタートしました。
  • 1979年(昭和54年)3月27日、当協会が財団法人として認可を受け同年4月から転貸融資を開始しました。
  • 1990年(平成2年)4月には、高齢化社会の到来とともに年金制度に対する関心が高まる中、静岡県内に3か所の年金相談所を開設しました。なお、年金相談所の開設は2000年(平成12年)度末に財団法人静岡県社会保険協会に事業を承継しましたが、年金相談所を開設した期間中、およそ3万6千人の利用がありました。
  • 1994年(平成6年)12月1日には、年金積立金の還元融資制度の一環として、年金教育資金貸付制度を開始しました。
  • 2005年(平成17年)1月末には、行財政改革によって公的資金の融資制度が見直され、年金住宅融資事業の新規融資申込みが廃止されました。
  • 2007年(平成19年)度末には、年金教育資金貸付事業の業務が廃止となりました。
  • 2009年(平成21年)4月から年金セミナー事業を開始しました。
  • 2012年(平成24年)4月に一般財団法人への移行登記を完了しました。

年金福祉協会の組織と運営

※理事・監事・評議員において専務理事以外は全て非常勤です。

運 営

運営決定機関としては、理事会及び評議員会があり、事業計画及び収支予算の決定並びに事業結果及び決算報告を行い、合議により透明性、健全性を確保し運営しています。
なお、監査機関として監事による監査を行ない、適正な事業運営に努めています。

年金福祉協会の事業内容

 

 

1.年金住宅融資事業

厚生年金保険の被保険者に対する住宅資金の貸付に係る債権の管理・回収を適正に行うことで転貸融資の利用者を償還(完済)に導き、被保険者の福祉の向上に寄与します。
なお、転貸融資は厚生年金保険の被保険者や事業主が拠出した保険料を財源にしたものですので、債権の回収にあたり次のとおり取り組んでいます。

  1. 延滞発生防止の啓発及び返済に関する相談受付
  2. 延滞者に対する文書、電話、訪問による督促
  3. 延滞解消に関する会議の開催
  4. 金融機関及び関係機関との連携

2.年金制度普及・啓発活動事業

厚生年金保険の被保険者(加入者)やその家族でこれから公的年金を受給する方を中心に公的年金の仕組みの解説や退職後の生活に必要な情報を提供するため、次の事業を行なっています。

  1. 年金セミナー・年金相談の開催
  2. 各関係機関に対する事業協力要請
  3. 広報活動の推進

年金福祉協会の現況と課題

現 況

1.年金住宅転貸融資事業の現況

年金住宅転貸融資の制度は、新規貸付が2005年(平成17年)1月末で廃止され、新たな融資利用者は発生しなくなりました。
現在は、廃止前に融資が実行された利用者に対する債権の管理・回収を行っています。
年金住宅転貸融資は、利用者の約定償還が計画的に進んでおり、また繰上償還や他の金融機関への借換えによって、融資利用者数及び融資残高は毎年減少しています。
一方、融資利用者の多くが高齢化しているため、利用者の一部は退職後の収入の減少などにより返済が困難となり、延滞する方が発生しています。
当協会が保有する融資残高は、国の年金特別会計の積立金から融資を受けたものであり、年金特別会計に計画的に償還することが前提です。
利用者の延滞が続くと転貸融資の仕組上、利用者は持ち家を手放すことになるため、当協会では返済方法などの相談に対応するとともに、延滞した方には文書や電話、訪問による督促を行い、延滞を解消する取り組みを実施しています。

2.年金制度普及・啓発活動事業の現況

2009年(平成21年)度からスタートした年金セミナー・相談事業は、厚生年金保険の被保険者やその家族で年金の関心が高い方を対象にして、退職後に受給する年金の仕組みや年金の請求方法に関する説明し、併せて年金相談を行うものです。
セミナーの終了後は受講者にアンケートをお願いしていますが、いただいたアンケートの回答の多くは、「年金の仕組みがよく分かった」などの評価をいただいています。
なお、年金セミナーの開催日程は静岡県年金福祉協会のホームページに掲載しています。

課 題

1.年金住宅融資事業の課題

年金住宅融資事業は、融資の新規申込みが行われなくなった2005年(平成17年)2月以降、利用者及び融資残高は減少していますが、利用者が加入する統合団体信用保険の加入者も減少が続いています。
また利用者の高齢化は保険事故率の上昇に繋がるため、保険金の支払いが増加し、その結果、保険料を値上げしなければならない状況となり、利用者の負担が増加する傾向にあります。

2.年金制度普及・啓発活動事業の課題

年金セミナーは住民サービスや勤労者福祉サービスに繋がることから、自治体及び勤労者福祉団体の理解、協力をいただきながら運営しています。
また年金セミナーの開催案内をお知らせする際は、自治体や勤労者福祉団体が発行する広報誌への掲載やメール配信などで広報していますが、自治体や勤労者福祉団体の広報の方針で掲載内容が左右されることがあるため、参加申込みに大きく差が出ている状況です。
このため、自治体や勤労者福祉団体との協力関係を高め、いかにして広報を充実させるかが課題となっています。

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