一般教養

社会|社会保険・労働保険

健康保険や雇用保険などの総称であり、日本の社会保障制度のひとつ。

安心して働くために、持続可能な保険制度へ

 社会保険・労働保険は、社会生活を営む人々が不測の出来事に備えて保険料を出し合い、相互に支え合うための仕組みです。いざという時のための保険があることで、安心して働くことができます。
 

<社会保険(狭義)>
 社会保険料は、会社と本人が半分ずつ負担します。会社員が加入する社会保険は、以下の3つです。

健康保険 けがや病気に対する保険で、年齢に関係なく被保険者となります。
厚生年金保険 将来、年金を受給するための保険で、70歳未満の従業員は被保険者となります。
介護保険 介護負担を保障するための保険で、40歳以上の国民は自動的に被保険者となります。

 健康保険、厚生年金保険、介護保険は、非正規雇用者でも勤務時間・日数が一般社員の3/4以上で、2ヶ月を超えて雇用される場合は加入することができます。
 
<労働保険>
 企業が労働者を1人でも雇用した場合は加入しなければなりません。会社員が加入する労働保険は、以下の2つです。

雇用保険 失業時を始め、雇用全般について保障する保険で、65歳未満の社員は被保険者となります。失業等給付の保険料・雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)の保険料の2つに分かれており、前者は会社と本人が折半、後者は会社が全額を負担します。非正規雇用者でも、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上引き続き雇用される見込みがある場合は被保険者となることができます。
労災保険 仕事中や通勤中に負ったけがや病気に対する保険で、事業主が加入するため、保険料は会社が全額を負担します。年齢や雇用形態に関係なく被保険者となります。

 

 安心して働くために必要不可欠な社会保険制度ですが、現在、財源不足という深刻な問題を抱えています。現在の社会保障制度が作られた1960~70年当時は、正規雇用・終身雇用が前提としてあり、また高度経済成長期だったため、給付額が増大しても保険料や税収の増加で賄うことが可能と予想されていましたし、実際にその当時は充分に賄ていました。ところが近年、特に1990年以降になると、高齢化が進むにつれて医療費・年金・介護費用が増加し、一方で非正規雇用者の増加や少子化により保険料の納付額は大幅に減少しはじめました。社会情勢や雇用形態の変化によって、制度と実情との間にズレが生じた結果、現在では深刻な財源不足に陥っているのが実情です。
 
 社会保険制度を維持していくためには、現在の社会情勢に合った制度へと改革していくことはもちろん、支え手一人あたりの負担を減らすための取り組みが求められています。非正規雇用者のための保険制度を整備し、加入を促進して被保険者を増やすことは、働きやすい環境づくりの観点から見ても大切です。また、仕事と家事・育児を両立させることのできる職場づくりなどの少子化対策や、高齢者が意欲・能力に応じて働くことができる環境の実現も、労働組合が取り組むべき課題となっています。
 社会保険と労働組合が運用する共済は、どちらも「助け合う」ためのもの。それぞれが健全に運用され、互いに補完し合うことで、労働者が安心して働ける環境をつくることができるのです。

 

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