仕事でもプラベートでも相手から本音を引き出すには、聴く力(傾聴力)がとても重要です。「傾聴」はコミュニケーションスキルの一つで、傾聴によって深いレベルで相手を理解できるようになると、人間関係にも良い影響が現れます。もし会話がスムーズにいかないことが多いようなら、話の “聴き方” に原因があるのかもしれません。自分は信頼関係を築ける聴き方ができているのか、まずはチェックリストを使って振り返ってみましょう。1つでも心当たりがあれば要注意です。
【聴き方NGチェックリスト】
□ 相手が話をしている途中で、自分の意見や相づちをかぶせてしまうことがある
□ 忙しいときなどはほかのことに気を取られ、集中して話を聞けない
□ はっきりしない態度や考え方の違いにストレスを感じてしまう
□ うなずいたり、相づちを入れたり、目線を合わせたりすることが苦手だ
□ 相手の話の途中で要点をまとめてしまうことがある
□ 沈黙に耐えられず、自分から話をしてしまいがち
□ 同意やねぎらいの言葉をかけたり、褒めたりできない
□ 話を先回りして聞いてしまうことがある
□ 相手の話よりも次に自分がどう答えるかに気持ちが向いてしまう
□ 気づくと自分ばかり話しているということがよくある
コミュニケーションの土台となる傾聴は、話し手と聞き手による双方向の対話によって成立します。正しい聴き方を身につけ、さらにコーチングスキルなどをもって具体的に掘り下げる言葉をかけることができれば、話し手自身に気づきを促すこともできます。
傾聴力を高めるには相手に対する接し方がとても大切であり、またそれによってうまく傾聴できるかが決まります。聞き手の態度や言葉に違和感があれば話し手は距離をとるようになるからです。ここで、傾聴で気をつけたいポイントをいくつか挙げてみましょう。
【態度・姿勢】
人は言葉だけでなく、表情や目線、姿勢、動作など非言語コミュニケーションからも相手に関心や興味があるかを感じ取ります。特に表情に変化がなく、アイコンタクトが取れない状態では真意をつかみきれません。腕組みやふんぞり返った姿勢なども相手に威圧感を与えます。
【2:8の法則】
いくらアドバイスを求められたからといって、自分の話ばかりするのは言語道断です。会話の主役は相手です。それをさえぎってしまえば思ったままに話せなくなります。8割は相手の話を聴き、自分が話すのは2割程度に抑えることで、相手は気持ち良く話すことができ、理解してもらえたという気持ちを持ちやすくなります。
【相づち・うなずき】
相づちやうなずきは「話を聴いている」というサインです。無反応では相手は本当に聴いているのか不安になります。逆に話を受け流すような「はいはい」といった相づち、頻繁な相づちは話を遮ることがあるので注意が必要です。
【ブロッキング】
話を聴いているうちに、自分の中に作り上げた勝手なイメージや、自分の価値観などが邪魔して、相手の気持ちや本当に伝えたいことをそのまま傾聴するのを妨げることがあります。これをブロッキングといいます。自分の視点で解釈してしまうと、相手は共感も理解もされていないと感じ、「本気で向き合ってくれない」という思いを抱きやすくなります。
傾聴は実践を積むことで身につくスキルです。傾聴で必要なのは、相手を尊重し自分の意見や先入観を挟まずに辛抱強く聴くこと。最後に、傾聴力を上げるポイントをまとめます。