クリティカル・マス(Critical Mass)とは、「黄金の3割」とも呼ばれ、変革の境界線を示す物理用語である。影響力を行使し得るようになる具体的な数字であり、量的変化が質的変化に転じる境目と言われる。(ある数値を超えると急速に変化が生じると考えられている)
■ある集団の中に1人しか女性がいない場合は、その女性が孤独感を感じることがある。
指導的地位に占める女性の割合が10%以下である場合、意見を聞いてもらえなかったり、
個人の意見として扱われたりする。お飾りのように扱われる場合もあり得る。
■ある集団に2名の女性がいる場合、孤独感が薄れ、1人の時よりは居心地が良く感じるが、まだ性差を強く感じる。
指導的地位に占める女性が10~20%程度の場合、男性主導の組織文化に与える影響は少ない。
■指導的地位に占める女性が20~30%程度の場合、まだ多数派である男性が主導し、組織内に変化は生じにくい。
■女性の割合が30%を超えた時に、男性の女性の多様性のみならず、女性の中にある多様性も反映され、
多様なニーズの取り込みと組織文化の変化につながる。これが「女性の割合30%」が組織にもたらす期待である。
男女共同参画社会の実現、女性の活躍推進においては、このクリティカル・マスの考え方が極めて重要である。将来的には男女比率1:1が期待されることはもちろんであるが、「当面の間、まずは女性比率3割を目指そう!」としている根拠はここにあります。「黄金の3割」理論には重大な意味が存在していることがお分かりになると思います。
「女性の登用3割が目標」は、単なる数字目標ではなく、組織を改革し、男女の意見を正当に反映させ、持続的な組織の発展のためには必ず成し遂げなければならない、いわば“最初のハードル”と言えます。
連合静岡