労働組合は、労働者が団結することで結成されたものです。労働条件を維持向上させることを主たる目的としています。「労働条件」といっても、さまざまな要素が含まれており、賃金や労働時間はもちろんのこと、労働協約の内容や福利厚生、職場での安全対策などがあげられます。これらの活動を行うにあたっては労使交渉が必要となります。組合員の要望を確認し、まとめあげ、組合員を代表して労使交渉を行うのが労働組合という組織です。
労使の交渉事項は「話し合い」で解決すべきものです。お互いの不信からおこる無益な争いを避け、目的達成に向かって、より有益な話し合いをすることが、解決の第一歩となります。しかし「話し合い」の過程で、労使の主張が対立し、組合としても譲れない場合に、社会情勢や交渉内容、労使関係などに与えるさまざまな影響を考慮したうえで、争議行為(ストライキなど)という手段にうったえることもあるのです。
争議権については憲法で保障されている基本的権利ではありますが、この権利は安易に行使すべきものではありません。争議行為の目的や方法を誤ると、労働組合自体の分裂にもつながります。争議権は会社に打撃を与えるためにあるものではなく、真の目的はそれを背景とした「話し合い」によって要求を実現させることにあるのです。争議行為は、労使の問題解決を前進させるための手段なのであって、最終的な解決は「話し合い」によるべきと考えます。