職場からの要求がある場合、実情を正確に把握し、実態に即しているかどうか確認し、整合性のある要求として組み立てる作業が要求されます。この場合に特に大切なのは、役員の「感想」ではなく「事実」です。この事実をつかむためには、役員自身の足で確かめるしかありません。
職場討議や職場集会の場では、数人の発言でその場の雰囲気が大きく左右され、その意見のみが職場全員の意向であるかのごとく感じることがあります。しかし、組合員は誰でも大勢の前で自分の意見を堂々と伝えられる人ばかりではありません。
そのためにも組合員との接触の積み重ねが必要であり、組合員の「ホンネ」が自由に話し合えるような場の設置にも努める必要があります。
職場内で問題が起こったり、新しい要求が起こった場合、正しい判断を下すためには、従来の労働協約、諸規定、労使慣行などについて、基礎知識を身につけることが必要です。
独断で処理したり、わからないまま放置したりせず、必ず上位の役員の助言を求めることが必要です。
特に会社との交渉時には、今行われている事実と状況を知らせることが大切です。役員が正確に情報を把握し、組合員に理解できる内容にして、こまめに、正確に知らせます。
組合に意見を出しさまざまな改善を求めることなど、組合員の権利はいくつかありますが、果たさなければならない義務もいくつかあります。先程、職場の実態をつかむうえでの組合役員の心得を述べましたが、全てを役員の努力で行うには限界があります。職場の実態を掴むためには、まず対話集会などで発言してもらうことが基本と考えています。組合の活動に参加するのは組合員の義務なのです。みんなで討議し、みんなで決定し、みんなで行動できるよう、組合員の参加を推進しましょう。