協同組合も労働運動も、勤労者・市民が主体となって“相互扶助”や“協同・連帯の理念や手法”によって、生活上の問題解決に向け働きかける活動です。
2009年に、わが国の生協運動の父といわれ、協同組合運動・労働運動・農民運動などの社会運動に先駆的な役割を果たした賀川豊彦が、神戸の貧しい地区で救貧活動を始めて100年となりました。賀川は、その後「救貧から防貧へ」というスローガンを掲げ、様々な社会運動・事業を一体のものとして実践していきます。
労働者福祉運動も、そうした源流の中から生まれました。
全国の労働者福祉協議会(労福協・福対協)は、戦後の廃墟の中から、労働組合や協同組合が組織の枠組みを超えて「福祉はひとつ」で結集するところから生まれました。労働運動と協同事業が車の両輪となって、「貧困をなくそう」「労働者のための銀行、共済をつくろう」と、夢と情熱をもって相互扶助による“労働者(自主)福祉運動”が展開されました。
貧困と格差が広がり、人と人とのつながり・絆が失われようとしている今日、営利を目的としない労働組合と協同事業団体が一体となって、国民の共感を呼ぶ社会運動や事業の展開に大きなが期待が寄せられています。