報告や説明など、人に何かを伝えるときには、伝える人自身が話の要点を整理し、ポイントを明確にしておく必要があります。そのためには事前準備が欠かせません。強調すべき点を絞り込んだり、具体例を入れたりしながら、相手の印象に残る伝え方を工夫することが大切です。特にプレゼンテーションなど人前で話す場合には、次の3つの点に気をつけて展開するといいでしょう。
伝えたいことがうまく伝わらない、何が言いたいのかわかりづらいと言われるという人は、話(あるいは文章)の構成に原因があるのかもしれません。話が整理されていない状態でいくら伝えようとしても、聞き手(読み手)はそれを理解できず、結局は要点が伝わらないままになってしまいます。そんなときには「PREP(プレップ)法」を使ってわかりやすい説明を心がけましょう。
PREP法とは、「結論(P)」「理由(R)」「具体例(E)」「結論(P)」の4つのステップからなる文章構成術の一つです。論理的で説得力のある話し方(文章の書き方)ができる、ビジネス文書の作成やプレゼンテーションなどビジネスシーンでは欠かせない手法となっています。
最初に話の要点や主張をしっかりと伝える
PREP法の特徴は最初に「結論」を伝えることです。結論から述べることで論理的に話を組み立てやすくなり、聞き手も何について話しているのかを把握しやすくなります。このときに気をつけたいのが、伝えたいことを3つも4つも盛り込んでしまわないこと。話の要素が多いと聞き手には何が重要なのかがわかりにくく、そのぶん理解しづらくなります。言いたいことが明確に相手に伝わるように、あらかじめ要点や主張を絞り込んでおくことが必要です。
結論に至った「理由」を説明する
話の意図を伝えたら、次にそこに至るまでの「理由」を説明します。「それはなぜか」を提示することで聞き手は初めてその結論に納得し、受け入れてくれるようになります。理由がうまく伝わらないと説得力に欠けてしまいますので、聞き手の「なぜ?」という反応にしっかりと答えるようにしましょう。
「具体例」で説得力を持たせる
さらに「具体例」を示して説得力を持たせます。具体例や事例には自分ごととして捉えられ、共感を得やすいという効果があります。「理由」で納得し、「具体例」で共感を得る。この流れによって理解度がより高まります。
もう一度要点や主張を強調する
最後に、理由や具体例を踏まえて「結論」を再度提示することで、話にまとまりや納得感が出ます。また、繰り返すことで記憶にも残りやすくなります。