労働組合

さ|裁量労働制

実際の労働時間にこだわらず、あらかじめ働いたとみなした時間を労使間で定め、その時間分の給与が支払われる制度。企業が労働時間の管理を労働者に委ねることが特徴。

業務の実状に合わせた働き方が可能になる制度の一つ

 裁量労働制とは、「企画業務型」と「専門業務型」の職種にのみ適応される、みなし労働時間制の一つです。「企画業務型」とは、事業運営に関する企画・立案・調査・分析を行う職種のことを指します。「専門業務型」は、研究職やクリエイト職など、労働時間と業績が必ずしも一致しない職種のことで、業務の遂行手段や時間配分の具体的な指示が難しいことが特徴です。企業は裁量労働制を導入する際、労働組合もしくは従業員の過半数を代表する者と労使協定を結び、労働基準監督署へ届け出なければなりません。「企画業務型」の場合はさらに、労使委員会の5分の4以上の議決が必要になります。 


 裁量労働制が導入された場合、原則として残業という概念がなくなります。労使で定めた一日のみなし労働時間を超えて勤務をしても、残業代は発生しません。しかし、みなし労働時間が8時間を超える場合、企業は超過分のみなし残業代を含めた給与を支払う必要があります。また、22時から5時までの深夜労働や、休日出勤については、割増賃金を支払わなければなりません。

 
 裁量労働制は労働者にとって、業務の実状に合わせた時間配分が可能になり、仕事の自由度が高まるというメリットがあります。また、労働時間ではなく業務の成果で評価されるため、不要な長時間労働を軽減できますし、場合によっては決められた就業時間よりも短い時間で退社することも可能です。それにより経営者側も、残業代を削減することが可能ですし、コスト管理もしやすくなります。一方で、労働者は本来であれば受け取れたはずの残業代の未払いや、長時間労働を強いられる恐れがあるため、注意しなければなりません。自分自身を律しながら、高い自己管理能力(セルフマネジメント能力)も求められます。経営者にとっては、業務への指示や、労働者が実際に働いた時間の管理が難しくなるというデメリットもあります。さらに言えば、チームとして労働者同士がで過ごす時間が短くなる傾向があるため、一体感を醸成しなければならない段階や、チーム同士のコミュニケーションが不可欠な仕事の場合は、その文化の醸成の障壁になることも考えられます。
 
 裁量労働制を導入する際には、自社の労働環境を適切に評価し、労働者にとって不利益とならないよう、労使協定を結ばなければなりません。労働組合は、労働者が業務の実状に合った労働条件の下で働けるよう、日頃から職場の実状を把握するよう努めましょう。

 

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