労働組合に加入している労働者の比率。
戦後、労働組合の活動が合法化され、1947年からは組織率の調査が開始されました。調査開始直後は50%を超えていた組織率ですが、1970年以降減少を続け、現在は20%を下回っています(令和2年の組織率は17.1%)。組織率の企業間格差も大きく、従業員数1000人以上の企業では50%を超えているにも関わらず、100人未満の中小企業では1%程度に留まっているのが現状です。
厚生労働省『労使関係総合調査(労働組合基礎調査):結果の概要』
近年の各年の組織率推移などはこちらから
組織率低下の背景には、組合員数の多くを占めていた正社員が減少し、一方で非正規雇用者・パートタイム労働者が増加したことがあげられます。最近では非正規雇用者のみの労働組合が結成されたり、既存の組合でも組合員の範囲を正社員だけでなく非正規雇用者にまで広げたりするケースが増えてきていますが、正社員との処遇格差や組合費負担などの問題もあり、非正規雇用者の組織率増加は思うように進んでいません。
また、労働組合の存在意義が希薄化していることや若者の労働組合離れも組織率低下の原因のひとつです。戦後の労働運動では賃上げ要求などで成果を出してきた労働組合ですが、昨今の景気低迷により目立った活動が少なくなりました。そのため特に若者たちの間で労働組合について興味、関心が低いだけでなく、存在そのものを知らないといった労働者が増え、組織率低下につながっています。
組織率の低下は労働組合の影響力が弱まることを意味します。長引く不況の中で労働環境が悪化し、労働者の権利意欲が高まっている今だからこそ、労働組合は労働者、特に非正規雇用者を中心に、自身の義務を果たしつつ、自身の持つ権利を再確認できる場をつくらなければなりません。また、職場のコミュニケーション強化によって生の声を反映し、労働組合の存在意義を広くアピールしていく必要があります。それに加え、学校などの教育現場で若いうちから労働問題について知り、考える環境をつくることも求められています。
連合静岡