労働組合のメインの活動は、労働条件の維持向上のために、会社側に働きかけることです。では、労働条件とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか? 今現在交渉中の事柄とともに、それぞれの内容について具体的に見ていきましょう。
賃金とは、いうまでもなく私たちの労働に対する対価です。会社は私たちが働くことによって利益を生み出すことができるわけですから、賃金というのは会社から「与えられるもの」ではなく、自分たちが生み出した利益を会社が「支払うもの」と考えるべきなのです。そして、会社が得た利益をいかに正当に私たちに配分していくかが、基本的な考え方です。
組合は、一時金も「年間の重要な賃金」であるという考え方で取り組んでいます。ところが会社は一時金を賞与、またはボーナスと称しています。一時金に対する考え方は、組合と会社との間で、違いがあります。近年、会社は「業績反映は賞与で」という考えを強めていますが、組合は「企業業績に大きく左右されない安定向上」と「組合員が努力した結果の成果配分」という双方の視点を考慮した取り組みを行っています。
経済的に豊かになったとしても、そのお金を使う暇も気力もないくらいに働きづめでは、何のために働いているのか分からなくなってしまいます。これからは、経済的な豊かさはもちろんのこと、精神的豊かさを取り戻すことがますます求められています。組合は、「豊かでゆとりある生活」の追求と「魅力ある産業・企業づくりのために、労働時間短縮に向け、休日の増加、時間外労働の削減、有給休暇取得推進運動にも積極的に取り組んでいます。
私たち働く者にとって、絶対に必要なものが「労働協約」です。労働協約とは、いわば会社と私たちとの間で結ばれる「働く上でのルール」のこと。ルールが明確に決められていなければ、私たちの労働条件はいつの間にかどんどん悪いものになってしまう危険性があります。そして、それを避けるためにも、「これ以下の条件では働かないぞ」という約束をしっかり交わす必要があるのです。
労働組合では、労働協約がしっかり守られているかを見届けるとともに、「秋闘」の中で労働協約の改定交渉を行っています。